能・狂言・歌舞伎に必須な扇子


みなさんは扇子を持っていますか?
日本の伝統文化工芸品のひとつに扇子があります。
扇子は海外でも日本文化の代表として人気があります。 
最近はエコアイテムだということで見直されているようです。

扇子のいいところといえば、これは何といっても仰ぎやすいところです。
それにコンパクトに折りたためるので持ち運びにも便利だと思います。
その扇子は京都発祥の文化です。
扇子はギフトの歴史も古く、平安時代の開発当初は貴重品だったから、侍従たちが宮廷から賜るものだったそうです。
源氏絵巻の美しい扇子はほとんどギフトだったとされています。
当時は貴族の装飾品であったり、僧侶、神職の儀式用としてのものでしたが、江戸時代には扇子作りが京の三職として栄え、庶民の日常生活に浸透したそうです。

日本において、この扇子の歴史というものは、古典芸能に深く関わりがあります。
能とか狂言、歌舞伎など、こうした伝統的なものにはよく使われており、それはもう、定番のように見かけます。
能・狂言・歌舞伎ではさまざまな小道具が登場します。
その代表的なものが葛桶(かずらおけ)なのではないでしょうか。
鬘桶とも書き、もともとは頭につける鬘をしまう道具でした。
能ではもっぱら床几としてシテが腰をかけるのに使っていますが、狂言になると、床几ばかりか小道具としていろんな役目を果たします。

そのほかにも笠や法螺(ほら)貝、太刀に杖、鍬や鋤など狂言師が手にして登場する小道具は数限りなくありますが、能と同様、どの曲にも欠かせないのが扇子です。
あおいで風を送ったりするのはむろんのこと、お酌の仕草や筆や包丁の代わりの働きもあります。
また扇子1本で大扉を開ける演技にも使われる、すぐれ者の小道具と言えるでしょう。
さらに香道や茶道でも扇子は欠かせない小道具で、日本の伝統文化にはつねに扇子が存在しています。
現在でも七五三、成人式、結婚式、家を建てる時の上棟式等の冠婚葬祭では実用・装飾用途としてつきものです。

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